横浜のトリガーポイント治療専門鍼灸院 feel 佐野です。
ジョギングを日課にしている方がよく経験するのが、「少しの違和感だから大丈夫」と思って走り続けてしまうケースです。
今回ご来院された方も、最初は右膝の軽い痛みを気にしながらもジョギングを継続していました。
しかし数週間後、今度は左の臀部から腰にかけての痛みが強く出てしまい、日常生活にも支障を感じるようになったのです。

膝の痛みが腰痛につながる理由
体は「筋膜」で全身がつながっています。
アナトミートレイン(筋膜のつながり)の考え方によると、膝の動きの制限や痛みは、反対側の臀部や腰にまで負担をかけることがあります。
右膝をかばって走ることで、左側の臀部に過剰な緊張が生まれ、それが腰の筋肉へ波及。結果として腰痛が出てしまったと考えられます。
鍼治療の流れ
初回は腰痛に対して集中的に施術を行いました。
トリガーポイント鍼治療で硬くなった臀部と腰の筋肉を緩めることで、動作時の痛みがかなり改善。
2回目以降は膝・股関節・腰を含めた全身のバランス調整を週1回のペースで3回。
臀部の緊張を取り除きながら、膝関節の動きも整えることで、ジョギング時の違和感はすっかり解消しました。
予防のために
今回のケースのように「膝の痛みが腰に波及する」ことは珍しくありません。
ジョギング愛好者が長く走り続けるためには、局所のケアだけでなく、全身の連動性を意識したケアが重要です。
鍼治療は痛みの改善だけでなく、筋膜のつながりを整え、再発しにくい体づくりをサポートします。
まとめ
右膝の軽い痛み → 左臀部の負担 → 腰痛へと発展
アナトミートレインに基づく鍼治療で、全身のバランスを調整
週1回の施術を3回行い、違和感なくジョギング再開
「軽い痛みだから」と放置せず、早めのケアが大切
痛みがでると継続的な治療が必要になることが多いので、違和感を感じた時にはケアをしましょう。
『この記事の執筆者:佐野 聖(はり・きゅう・マッサージ治療院 feel 院長)』
1995年に鍼灸マッサージ師(国家資格)を取得後、整形外科クリニックで8年間勤務。2003年に横浜で「鍼灸マッサージ治療院 feel」を開院。筋筋膜性疼痛症候群(MPS)やトリガーポイント治療を専門とし、肩こり・腰痛・坐骨神経痛・五十肩・頭痛など慢性痛の改善に注力。治療技術は鍼灸専門誌『医道の日本』でも特集を掲載。