鍼灸施術とは?
What is Acupuncture?

鍼灸施術とは?

※このページは当院の院長佐野聖が制作しました。

鍼灸は効果なし?──WHOでも有効性が認められています

「鍼灸って効くの?」「肩こりや腰痛のときだけ?」
そんなイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。
近年では、「不妊症」や「自律神経の乱れ」、「頭痛」や「倦怠感」など、幅広い身体の不調に対して鍼灸が効果を発揮することが認識され、WHO(世界保健機構)でも有効性が認められています。
とはいえ、鍼灸に対してまだまだ「こわい」「効果があるのかわからない」といった声も少なくありません。
ここでは、鍼灸の定義やその施術方法、他の治療法との違いについてご紹介します。

■ 鍼灸施術とは?──国家資格が必要な専門技術

鍼灸施術とは、身体に鍼(はり)や灸(きゅう)を用いて刺激を与えることで、人間が本来持っている自然治癒力を高める施術法です。
厚生労働省が定める「医業類似行為」として認められており、国家資格を持つ「はり師・きゅう師」のみが行える専門技術です。

【鍼術の定義】
「一定の方式に従い、鍼をもって体の表面の一定部位に接触または穿刺し、生体に機械的刺激を与え、その生体反応を利用して生活機能の変調を矯正し、健康維持および疾病予防に応用する技術(出典:東洋療法学校協会 教科書 2012年版)」
つまり、鍼で皮膚や筋膜に刺激を与え、体の機能を整えていく施術法であり、単なる「マッサージ」とは異なる医学的アプローチなのです。

■ 鍼のメリット 「直接、悪いところにアプローチできる」

鍼の大きな特徴は、筋肉や痛みの原因に直接アプローチできる点です。
たとえば、筋膜にできたトリガーポイントに鍼を打つことで、マッサージや整体では届かない深部の原因箇所に直接刺激を与えることができます。
特に当院では、トリガーポイント療法に基づいた鍼灸施術を行っており、痛みやしびれの根本改善を目的としています。

■ 「鍼灸」or「針灸」?正しい表記と国家資格について

インターネットで検索する際、「鍼灸」と「針灸」どちらが正しいのか迷われる方もいらっしゃいますが、正式表記は「鍼灸(しんきゅう)」です。
ちなみに、私たちが取得している国家資格は「鍼灸師」ではなく、

  • 「はり師」
  • 「きゅう師」

の2つの独立した資格です。
さらに、マッサージを行うには別途「あん摩マッサージ指圧師」という国家資格も必要です。
つまり、鍼・灸・マッサージすべてを行うには、それぞれの国家資格を取得していなければならないのです。

■ 鍼灸は怖い?──実は妊婦さんにも選ばれる安心な施術

「鍼は痛そうで怖い」「感染が心配」
そんな不安をお持ちの方も多いかもしれませんが、実際はとても繊細で安全性の高い施術です。

  • 鍼は髪の毛ほどの細さで、刺入時にほとんど痛みを感じません
  • 使い捨ての鍼を使用しており、衛生面も万全
  • 薬を使わないため、妊娠中の方や高齢の方にも安心です

また、鍼灸師になるためには、専門学校または大学で3~4年学び、国家試験に合格する必要があります。
そのため、施術者は東洋医学を含め解剖学や生理学などにも精通した専門家です。

■ 鍼灸院とは?──feelは「専門院」です

鍼灸施術を提供する施設が「鍼灸院」です。
全国には、鍼灸だけを専門に行う施設のほかに、接骨院や整体と併設している治療院も数多くあります。
また近年では、内科や婦人科などの医療機関でも補完療法として鍼灸を取り入れるケースが増えています。
当院feel(フィール)横浜本院では、2003年の開業以来、国家資格を持つ鍼灸師が、筋膜由来の痛みやしびれを対象とした「トリガーポイント鍼灸」を専門的に提供しております。

■ 鍼灸院と整骨院・整体院の違い

施設名 施術者の資格 主な内容
鍼灸院 国家資格(はり師・きゅう師) 鍼・灸による体調改善、痛みの治療、予防
整骨院/接骨院 国家資格(柔道整復師) 骨折・脱臼・捻挫・打撲などの応急処置やリハビリ
整体・カイロ院 民間資格または無資格 骨格矯正や筋肉バランス調整(保険適用外)

鍼灸院では、原因筋への直接アプローチができるため、「整形外科では異常なしと診断されたのに痛い」「慢性的な不調が改善しない」といった方におすすめです。


まとめ:鍼灸は優しい医療であり、根本改善を目指せる療法です

  • 鍼灸は国家資格を持つ専門家が行う、安全で効果的な施術です
  • 痛みや不調の根本原因にアプローチできるため、他の治療法で改善しなかった方にも選ばれています
  • 「怖い」「不安」という方にも、安心して受けていただける配慮を行っています

「どこに行っても変わらない…」そうお悩みの方こそ、一度ご相談ください。

■ 鍼灸で期待できる効果

鍼灸で期待できる効果

~ WHOが有効性を認めた症状とは ~
「鍼灸って肩こりや腰痛だけに効くんでしょ?」
そう思われている方も多いかもしれません。ですが、鍼灸の可能性はその枠にとどまりません。
実際、鍼灸は世界的にその効果が認められている治療法です。
特に1979年には、WHO(世界保健機関)が鍼灸治療の有効性を示した疾患リストを発表。
以降、科学的な検証が進められ、現在では40以上の疾患に有効性が認められています。

WHOが鍼灸療法の有効性を認めた主な症状
分野 主な適応症
運動器系 肩こり、五十肩、腰痛、テニス肘、腱鞘炎、変形性関節症など
消化器・呼吸器系 慢性胃炎、便秘、下痢、食欲不振、気管支喘息、鼻炎など
疼痛系 頭痛、坐骨神経痛、術後疼痛、肋間神経痛、三叉神経痛など
循環器系 高血圧、低血圧、冷え性、血圧変動に伴う諸症状など
婦人科・泌尿器系 月経不順、更年期障害、不妊、逆子など
感覚器系 眼精疲労、耳鳴り、難聴、メニエール病など
小児疾患 夜尿症、小児神経症など
その他 不眠症、自律神経失調症、顔面神経麻痺、片麻痺など

※出典:WHO「鍼灸適応疾患」および日本鍼灸師会資料より

美容や体質改善にも ── 鍼灸の応用はさらに広がっています

最近では、美容を目的とした「美容鍼(フェイシャル鍼灸)」も注目を集めています。
たるみやむくみ、リフトアップや肌質改善など、自然な美しさを引き出すケアとして、多くの女性に支持されています。
また、ホルモンバランスの乱れや自律神経の不調など、現代人特有の不定愁訴にも鍼灸は効果が期待できるとされています。

当院の対応分野

当院では、トリガーポイント鍼灸をベースに、以下のような症状の改善を得意としています

  • 慢性的な肩こり・腰痛・五十肩
  • 坐骨神経痛のようなしびれ・違和感
  • 頭痛・目の奥の疲れ・首こり
  • 筋膜性の痛みや関連痛
  • スポーツや仕事による筋肉の張り・疲労など

※美容鍼や体質改善をご希望の方も、症状やお悩みに合わせて対応可能です。

さらに詳しく知りたい方へ

鍼灸の効果とその科学的根拠については、以下のページもご参照ください:
・公益社団法人 日本鍼灸師会公式サイト
・[NIH(米国国立衛生研究所)の鍼灸に関する見解](※英語サイト)

まとめ:鍼灸は“局所”だけでなく“全身”に働きかける療法です

  • 鍼灸はWHOやNIHをはじめとする国際機関が認める医療手段です
  • 肩こり・腰痛だけでなく、自律神経・内臓機能・婦人科系にも効果が期待されます
  • 「慢性的な不調が続いている」「薬を使わない治療法を探している」という方におすすめです

鍼灸の効果は何回で出るの?

─ 急性・慢性で異なる施術回数の目安

「何回通えば良くなりますか?」
これは多くの患者様からいただくご質問です。ですが、正確な回数を一律にお答えすることは難しいというのが正直なところです。
なぜなら、痛みや不調の改善には、症状の種類・経過期間・体質・生活習慣など多くの要素が関係するからです。

急性症状の場合(ぎっくり腰・寝違えなど)

比較的発症からの期間が短い症状では、効果が出るスピードも早い傾向があります。
たとえば、ぎっくり腰や寝違えのような急性症状では、以下のような傾向が見られます

  • 1回の施術で大幅に改善するケースもある
  • 多くの場合、2~3回の施術で日常生活に支障がないレベルまで改善

ただし、これはあくまでも受傷の程度や施術開始のタイミングによるため、すべての方に当てはまるわけではありません。

慢性症状の場合(肩こり・腰痛・頭痛など)

症状が数ヶ月~数年にわたって続いている場合や、
「様子を見ていたら悪化してしまった」といった慢性症状では、少しずつ変化を重ねていく必要があります。

  • 平均して5~10回程度の継続的な施術が必要になることが多い
  • 初期は週に1~2回のペースで通院し、症状が落ち着いてきたら間隔を空けていく形がおすすめです

慢性症状は、まさに一段一段の階段を上がる”ようなイメージで改善していきます。
急激に変化は起こりにくくとも、確実に身体は良い方向へ向かっています。

治療計画は一人ひとりに合わせて

当院では、以下のような流れで最適な施術プランをご提案しています。

  • 初回カウンセリングで、生活習慣・症状の経過を丁寧にヒアリング
  • 触診・可動域検査により、トリガーポイントや筋膜の状態を確認
  • 状態に合わせた通院頻度と施術目標を提示し、無理なく継続できるプランを設計

「急に通えなくなった」「途中で良くなった」などの場合でも、柔軟に調整いたします。

こんな方には特におすすめです

  • 早く痛みを改善したい方(例:ぎっくり腰・寝違え・急性の肩痛)
  • 慢性的な症状で根本改善を目指したい方
  • マッサージや整体では効果が長続きしないと感じている方
  • 医療機関では「異常なし」と言われたがつらい症状が残っている方

まとめ:継続とタイミングが回復の鍵です

  • 急性症状なら1~3回の施術で大きな改善が見込めることも
  • 慢性症状は5~10回を目安に、段階的な改善を目指しましょう
  • 状態に応じたオーダーメイドの治療計画で、最短距離での回復をサポートいたします

いかがでしたか、世界で認められている鍼灸治療の可能性は、まだまだ広がっていきそうです。
あなたの健康維持の一つとして、鍼灸治療を取り入れてみて下さい。

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