五十肩は50代に多いためその名がつきますが、年齢に関係なく誰にでも起こりうる症状です。
今回は、80代の女性がトリガーポイント鍼治療で五十肩を改善されたケースをご紹介します。
◆ 来院までの経緯
患者さん(須山さん/仮名)は80代の女性です。
右肩に痛みを感じ、更には徐々に上がらなてきたため、整形外科に通院、治療を受けていたもの改善が見られず、クリニックよりご紹介いただきました。
◆ 五十肩の原因はどこにあったのか?
今回の五十肩は、腕を前に上げられない(肩関節の屈曲ができない)、バンザイができない状態でしたので、肩の前側にある「三角筋前部」という筋肉に原因があると考えました。
これは「筋筋膜性疼痛症候群(MPS)」と呼ばれ、筋肉の中にできた「トリガーポイント」と呼ばれる硬くなった部分が、痛みや動きの制限をしてしまう状態で、整形外科的な画像検査では目につかないことが多いため、見落とされることが多いですが、トリガーポイント鍼灸ではアプローチできます。
◆ 治療と経過
治療は週1回のペースで5回行いました。
初回の施術後から少しずつ可動域が広がり、痛みも軽減されました。
5回目の治療が終わる頃には、日常生活でも肩をスムーズに動かせるようになり、腕も問題なく動かせるまでになりました。
現在は再発予防と身体のメンテナンスを目的に、定期的にご来院いただいております。

[こちらは、メンテナンスの写真]
◆トリガーポイント鍼治療とは?
トリガーポイント鍼治療は、筋肉にできた痛みの原因に対して、ピンポイントに鍼を打つ治療法です。
【主な特徴】
・薬や注射に頼らず、自然な形で改善を目指す
・筋肉の奥深くにアプローチできる
・高齢者の方にも身体に負担が少ない
・特に今回のように、筋肉由来の痛みや可動域制限については、非常に効果的です。
◆最後に|五十肩に悩む方へ
五十肩は、年齢や加齢のせいだけでなく、筋肉の使い方や生活習慣が大きく関係しています。
トリガーポイントを正しく治療することで、痛みや可動域が改善しますが、ポイントは痛みや可動域の問題が出てきた時は、我慢せずに一日も早い治療を受けることです。
症状が出たまま生活していると、やがて原因となる筋肉の周りにある筋肉までもが硬くなり、治療に時間がかかってしまうからです。
五十肩に限らず、痛みやこりでお悩みの時は、せっかちな方が良さそうです。
お心当たりの方は、ご相談ください。
=この記事は、鍼灸マッサージ師(国家資格)である当院院長の佐野聖が書いています=
「佐野聖は1995年の国家資格取得以降、臨床の第一線で活躍しており、その技術は鍼灸の専門誌である「医道の日本」において紹介されるなど、トリガーポイント・筋膜由来の痛みやコリの改善において高い評価を得ております」