横浜・天王町の鍼灸マッサージ治療院 feel、院長の佐野です。
今回は「脚の付け根が痛い」というお悩みについて、実際のケースをもとにお話しします。
◆ ケース紹介
ご相談いただいたのは、30代女性の方。
昨日のお昼に、約2時間半のハードな筋トレ(スクワットなど)を行ったそうです。
実はその時点で「なんとなく違和感」はあったものの、夜にはさらにテニスのレッスンに参加。
一晩寝たあと、左脚の付け根にズキっとした痛みが出現。
特に脚を上げる動きで痛みが強くなる、とのことでした。
まるで筋肉たちが「もう勘弁して…!」と叫んでいるような状況ですね。
◆ 考えられる原因
このケースで施術ターゲットになる筋肉は以下の3つ。

1,腸腰筋(ちょうようきん)停止部(大腿骨小結節)
股関節を屈曲させる主役。脚を上げる動きに大きく関与しています。
2,大腿直筋(だいたいちょっきん)
太ももの前側、膝を伸ばしたり、股関節を曲げるときに使われる筋肉です。
3,縫工筋(ほうこうきん)
太ももの内側を斜めに走る細長い筋肉で、脚を曲げたり内側にねじる動きに関わります。
これらの筋肉に・・・
・筋疲労(使いすぎ)
・急な負荷増加
・ストレッチ不足
が重なった結果、付着部(腱が骨にくっつく部分)に負担が集中し、痛みが発生したと考えられます。
特にスクワット→テニスという流れは、筋肉を酷使した後にさらに動的負荷をかけるので、リスクが高めです。
◆ 治療アプローチ
ターゲット筋である大腿直筋・縫工筋・腸腰筋の停止部に対して、トリガーポイント鍼+パルス治療を行いました。
鍼で筋肉の深部に直接アプローチ
パルス(電気刺激)で、過緊張した筋線維をリズムよく緩める
血流を促進し、修復を早めるトントンと心地よい電気刺激を感じながら、しっかり筋肉の緊張を解きほぐしていきます。
◆ まとめ
脚の付け根の痛みは、関節や腱そのものよりも、
筋肉のオーバーユーズが原因で起こることが少なくありません。
筋トレ後に違和感があったら無理をしない
ストレッチやクールダウンをしっかり行う
痛みがあるときは早めにケアを受ける
これが、長く健康的にトレーニングを続けるコツです!
「筋肉を鍛える」のも大事ですが、「筋肉をいたわる」ことは、もっと大事です。
もし似たような症状でお困りの方がいたら、いつでもご相談ください。
『この記事の執筆者:佐野 聖(はり・きゅう・マッサージ治療院 feel 院長)』
佐野聖は1995年に鍼灸マッサージ師(国家資格)を取得。8年間にわたり整形外科クリニックに勤務し、医師との連携による臨床経験を重ねたのち、2003年に横浜にて鍼灸マッサージ治療院「feel」を開院しました。
筋筋膜性疼痛症候群(MPS)やトリガーポイントによる痛みやコリの治療を専門とし、肩こり・腰痛・坐骨神経痛・五十肩・頭痛など、多岐にわたる慢性症状の改善を得意としています。
その治療技術は、鍼灸専門誌『医道の日本』にも紹介されており、エビデンスと経験をもとに、患者様一人ひとりの痛みの本質に迫る施術を行っています。