今日は筋肉と痛みについてのお話です。
こちらのブログをご覧になっている方は、医療機関を受診した腰痛患者の8割は原因不明というような記事を、ネットなどで目にしたこがあるのではないでしょうか?
中には85%という数字を挙げられている医師もいらっしゃるようです。
実はこの原因不明の腰痛「非特異的腰痛」はレントゲンで異常が見られない、すなわちレントゲンに写るものには異常がないということであり、その原因のほとんどは筋肉であると推測されます。
原因がはっきりしないものを、推測だけでは診断することはできないので、原因不明となってしまうのです。
私は、鍼灸師としてまもなく30年、トリガーポイント専門鍼灸院を開業して20年以上経ちますが、これまでに医療機関で原因が分からないと言われ来院された方に、幾度となく原因は筋肉・筋膜にある可能性を説明してきました。
筋肉に原因があると言っても、ただ筋肉をほぐしたり、ストレッチしても効果はほとんど期待できません。
注目すべきは、筋肉の変化するところ、例えば筋肉から腱へと変化するところや、筋肉が骨にくっつくところなど、物質の変化が見られるところ、また筋肉と筋肉が重なり合いストレスのかかるところなども重要なポイントとなります。
トリガーポイント療法はこの重要なポイントに対し施術をすることで、症状の改善を目指します。
例えば

坐骨神経痛の原因となりうる筋肉に図の大臀筋があります。
この筋肉を施術する際は、筋肉の質が変化する星マークのポイントや、筋肉の縁で中臀筋と重なる青いラインの箇所を施術するのが効果的になります。(さらに細かいポイントの選定が必要となります)
また、筋肉が原因となる痛みに対しセルフケアとしてストレッチが有効になることもありますが、場合によってはほとんど意味がなさないこともあります。
例えば大臀筋の場合デスクワークで座っていることが多い方などは、座るという姿勢自体が、大臀筋のストレッチになり、ストレッチで伸ばされているところに体重で押し潰されるので、のし餅状態で鬱血してしまいます。
鬱血状態の筋肉に対しストレッチをすることは、あまりお勧めできません。
そう言った場合には、スクワットやウォーキングなどアクティブ(筋肉を収縮させる)に体を動かすことが体に良い効果をもたらしてくれるでしょう。
これは、肩こりなどにも言えることで、必ずしもストレッチが良いとは限りません。
筋肉が原因となる痛みは、腰痛、坐骨神経痛、膝の痛み、肩の痛み、頭痛、手の痺れなど多岐にわたります。
お心当たりの方は、ご相談ください。
=この記事は、鍼灸マッサージ師(国家資格)である当院院長の佐野聖が書いています=
「佐野聖は1995年の国家資格取得以降、臨床の第一線で活躍しており、その技術は鍼灸の専門誌である「医道の日本」において紹介されるなど、トリガーポイント・筋膜由来の痛みやコリの改善において高い評価を得ております」