
◆症例紹介:30代女性・事務職
症状:前頭部と目の奥の重だるさ、夕方に悪化する頭痛
パソコン業務が中心の30代女性。
「最近、仕事中に目の奥が痛くて集中できない」
「前頭部がズーンと重く、毎日のように頭痛がある」
というお悩みでご来院されました。
首や肩のこり感は自覚があまりなかったものの、触診をすると、
後頭下筋群(特に大後頭直筋・小後頭直筋)
頭部半棘筋(とくに左右差あり)
に強い圧痛と関連痛(前頭部・目の奥)が確認されました。
◆治療内容
1回目の施術では、後頭下筋群と頭部半棘筋のトリガーポイントに鍼でアプローチ。
治療中に「目の奥まで響く感じがあった」とのこと。
2回目には、頭痛の頻度が半減。
3回目には、「夕方の頭痛がなくなった」「目の疲れ方が全然違う」と実感されました。
◆施術者コメント
後頭下筋群や頭部半棘筋は、画面を見る姿勢が続くと過緊張しやすく、目の奥や前頭部への関連痛を引き起こしやすい部位です。
この方のように、**「肩こりは感じていないけど頭痛がひどい」**という場合にも、筋膜由来の痛み(MPS)の視点からみることで、根本的な解決に繋がります。
この症例のように、「肩こりが原因じゃないかも…」という頭痛も、
トリガーポイント鍼で劇的に改善することがあります。
「筋肉のコリが、痛みの原因に?」
MPSは、筋肉や筋膜がかたくなってしまい、「トリガーポイント」と呼ばれるシコリができることで離れた場所にも痛みや重だるさを引き起こす症状です。
肩こりや頭痛の“黒幕”は、実はここかもしれません。
『この記事の執筆者:佐野 聖(はり・きゅう・マッサージ治療院 feel 院長)』
佐野聖は1995年に鍼灸マッサージ師(国家資格)を取得。8年間にわたり整形外科クリニックに勤務し、医師との連携による臨床経験を重ねたのち、2003年に横浜にて鍼灸マッサージ治療院「feel」を開院しました。
筋筋膜性疼痛症候群(MPS)やトリガーポイントによる痛みやコリの治療を専門とし、肩こり・腰痛・坐骨神経痛・五十肩・頭痛など、多岐にわたる慢性症状の改善を得意としています。
その治療技術は、鍼灸専門誌『医道の日本』にも紹介されており、エビデンスと経験をもとに、患者様一人ひとりの痛みの本質に迫る施術を行っています。