今回は「慢性腰痛の治療」について、紹介します。
■ 朝起きるたびにつらい腰の痛み
50代の男性会社員の方。
デスクワーク中心のお仕事で、1年ほど前から慢性的な腰の重だるさを感じていたそうです。
特に朝起きたときの痛みがつらく、ベッドから立ち上がるまでに数分間、腰を伸ばしたり、ゆっくり動かしたりしないと、スムーズに動けない状態でした。
病院や整体にも行ったことはあったそうですが、「年齢のせいだろう」と半ばあきらめていたとのこと。
そんな折、当院を利用された知人の紹介で、初めてご来院いただきました。

■ 慢性腰痛の原因は腰の筋肉全体
問診と評価から、主要な筋全体に問題があると判断しました。
脊柱起立筋群(背骨沿いの支持筋)
腰部多裂筋(姿勢保持に重要な深部筋)
腸腰筋群(体幹と脚をつなぐインナーマッスル)
これらの筋肉にトリガーポイント(筋肉のしこり)が形成されており、特に就寝中の筋緊張や血流不足が、起床時の痛みにつながっていたと考えられます。
■ トリガーポイント鍼治療の効果
治療では、深層の筋肉に対して鍼で直接アプローチすることで、硬くなった筋肉の緊張を和らげていきました。
施術直後から腰の動きに変化が出始め、4回の施術で朝の痛み・腰の重だるさともに消失。
「何より、朝スッと立てるのが嬉しい」と、ご本人にも驚かれる結果となりました。
■ 年齢や慢性化を理由に、あきらめないでください
慢性的な腰痛を「加齢のせい」と片付けてしまう方は少なくありません。
ですが、今回のように的確に原因となる筋肉にアプローチできれば、数年悩んだ痛みでも改善できることがあります。
■ まとめ
朝の腰痛や、慢性的な重だるさを感じている方へ。
それは、筋肉からのサインかもしれません。
「画像には異常がない」「ストレッチしてもすぐ戻る」――そんな方は、ぜひ一度、筋肉に特化した治療を受けてみてください。
当院では、原因を見極め、確実に筋肉へアプローチする施術をご提供しています。
『この記事の執筆者:佐野 聖(はり・きゅう・マッサージ治療院 feel 院長)』
佐野聖は1995年に鍼灸マッサージ師(国家資格)を取得。8年間にわたり整形外科クリニックに勤務し、医師との連携による臨床経験を重ねたのち、2003年に横浜にて鍼灸マッサージ治療院「feel」を開院しました。
筋筋膜性疼痛症候群(MPS)やトリガーポイントによる痛みやコリの治療を専門とし、肩こり・腰痛・坐骨神経痛・五十肩・頭痛など、多岐にわたる慢性症状の改善を得意としています。
その治療技術は、鍼灸専門誌『医道の日本』にも紹介されており、エビデンスと経験をもとに、患者様一人ひとりの痛みの本質に迫る施術を行っています。